夜がな夜っぴて考え事…

趣味で自由に小説書いてます

夕方オレンジ

 放課後の教室。机に頬杖をつきながら、うっすらと開けた瞼の隙間から夕陽の端っこを捉える。

 開け放った窓から入る生暖かい風と、部活を終えた学生たちの笑い声。

 誘われるように窓際に立ち、眺めた空は一面オレンジ色。温かくて、少し寂しい。

 グラウンドを見下ろすと君がいた。私が大きく手を振ると、それに気付いて大きく振り返す君。

 言葉は交わさなくても、その笑顔で充分伝わる。

 夕陽に照らされた君の笑顔が、この世界で一番美しいと私は思う。