散文NEO-1『悩み事』

　私は悩んでいた。それは、「NEW」にすべきか「NEO」にすべきか、ということである。

　気になることがあれば調べずには前に進めない性分の私は、もちろんこの悩みについてもインターネットに助けを求めた。

　ざっくり言うと、「NEW」は英語で“新たに生まれたもの”という意味があるらしい。

　「NEO」はと言うと、ギリシャ語で“復活～、改変～”という意味になるらしい。

　つまり前者はゼロから生まれた新しいもの、後者は元からあったものの新しいバージョンといったところである。確かに、私が知り得る作品の中で「NEO」と付くものは前作からの続編であったように記憶している。

　ということで、私は正式に「NEO」を採用することにした。

　そう決めてキーボードをカチカチと打っていると、窓の外から子供の声が聞こえてきた。近所の子供が外で遊んでいるらしい。私は席を立たずに窓の外に目をやった。そこから見える景色は青一色だった。今日は気持ちがいいほど晴れている。再スタートを切るにはちょうど良い。

　これを書き終えたら散歩にでも出かけようと私は心を躍らせた。

　しかし、久しぶりに文章を打つというのは、なかなかスムーズに行かないものである。あれを書こう、これを書こうと頭の中で考えは巡っているものの、それを表現するのがこんなに難しいことだったとは。ブランクとは恐ろしいものである。

　とまぁ、最初から憤っていても仕様がない。焦って事を進めようとしてうまくいった試しは無いのである。40年生きてきてそれは重々承知しているつもりである。なので最初はスロースタートで行こう。アクセルはゆっくり踏むものである。

　私は自分自身にそう言い聞かせて、とりあえず言葉を紡いでいった。

　今回もまた、誰のためではなく、何となく区切りが良いという理由で始めるものであるから、最初から気負っていても仕方が無いのである。

　最初はこんなものであろう。もしかしたら次もこんなもんかも知れない。でもまぁ、それでいいのである。それを決めるのは私である。

　ということで、今日は文章も上手く進まないし、天気は良いし、早く散歩に出かけたい私はとりあえずこの辺でお暇（いとま）しようと思う。

　今回もまた終わりは決めていない。長い付き合いになるか、短い付き合いになるか、それは誰にも分からない。なのでとりあえず「どうぞよろしく」とだけ申し上げる。

　それでは、何はともあれ『散文NEO』のスタートなのである。